前回まではサイトのトップページのコンテンツ、構成を変えることにより成約率を高める方法をサイトのパターン別に解説してきました。
・地域密着型サイトのトップページの成約率を高める方法
・単品サービス販売サイトのトップページの成約率を高める方法
・商品販売サイトのトップページの成約率を高める方法
・単品通販サイトのトップページの成約率を高める方法
今回は、サイトのサブページのコンテンツ、構成を改善することにより、サイトの成約率を高める方法を解説します。
サブページはトップページとは違い、そのページで取り扱うサービスまたは商品について文章や画像、動画などを用いてユーザーにわかりやすいように詳しく解説するページです。
《ウェブサイトの構造》
目次
- サブページの種類
- 1. サービス案内のサブページ
- 2. 商品販売ページのサブページ
- 《箇条書きで表現する理由》
- ① 読みやすさが向上するから
- ② 情報を整理して強調できるから
- ③ スキャナビリティが向上するから
- ④ モバイルフレンドリーだから
- ⑤ 情報の取捨選択がしやすいから
- 《商品の評価を星印やユーザーのコメントを掲載することが最近の流行となっている理由》
- ① 社会的証明を見せるため
- ② 信頼性を向上させるため
- ③ 購入判断を助けるため
- ④ エンゲージメントを向上させるため
- ⑤ SEOに良い影響を与えるため
- 《文章だけでなく多くの画像を掲載することが一般的になっている理由》
- ① 視覚的な訴求力が増すから
- ② 商品理解を促進するため
- ③ 情報を補完するため
- ④ エンゲージメントを向上させるため
- ⑤ ソーシャルメディアでの共有を促進するため
- ⑥ 購入意欲を喚起するため
- まとめ
サブページの種類
企業が運営するウェブサイトにあるサブページには「サービス案内のサブページ」と「商品販売ページのサブページ」があります。これらをサブページをユーザーが見ることによりサービス・商品の詳細を理解して購入するかを決定する材料とすることができます。
1. サービス案内のサブページ
提供するサービスの申込みを獲得するために作るのがサービス案内のサブページです。
多くのサービス案内ページは、自社のサービスを説明するだけのもので一方的な内容になってしまっています。成約率を高めるサービス案内ページを書くためには、ページの冒頭にサービスを利用することによりユーザーが得られるベネフィットを書くようにしましょう。
ユーザーはページを見る時に、自分にとって利益のあるサービスを探しているため最初にユーザーが得られるベネフィットを書いたほうがページの下のほうまで読んでもらう確率が増すからです。ユーザーが得られるベネフィットを書くには、ユーザーを主語にした文章か、フレーズを書きます。
そしてその後にそのサービスの説明を書きます。サービスの説明は、サービスの特徴やメリット、事例、利用者の声、サービス提供の流れ、サービスに関するよくあるご質問などを書きます。
《サービス案内のサブページの構造》
そうすることにより、サービス提供者がユーザーの立場に立って説明していることを感じ取り、ページの精読率が高まるようになります。
ベネフィットとメリットは、似ているように見えますが違いがあります。ベネフィットは、製品やサービスを使用することで得られる最終的な成果や価値を表します。つまり、ユーザーにとっての実際の利益や恩恵を意味します。例えば、「時間の節約」「コストの削減」「生活の質の向上」などがベネフィットに当たります。ベネフィットは、ユーザーの感情に訴えかけ、製品やサービスの本質的な価値を伝えます。
一方、メリットは、製品やサービスの特徴や機能から直接的に得られる利点を指します。例えば、「高品質の素材」「使いやすいインターフェース」「24時間対応のカスタマーサポート」などがメリットに当たります。メリットは、製品やサービスの具体的な特性を説明するものです。
ベネフィットとメリットの関係を整理すると、メリットは製品やサービスの特徴であり、それによってベネフィットがもたらされるということになります。したがって、サービス案内や商品販売のサブページでは、まずユーザーが得られるベネフィットを強調することが重要です。
ユーザーは、自分にとってどのような利益があるのかを知りたがっているためです。その上で、そのベネフィットを実現するための製品やサービスのメリットを説明することで、より説得力のあるページになります。ベネフィットを前面に押し出し、メリットでそれを裏付けることで、ユーザーの共感を得て、製品やサービスの価値をより効果的に伝えることができます。
成約率が低いサイトでよく見かけるのが、企業の側が自社の商品・サービスのことばかりに関心が向いてしまい、自社の商品・サービスのメリットのことばかりを書いてしまいというミスがあります。見込み客が最初に関心を抱くのは、御社の商品・サービスのメリットではなく、自分にとってのベネフィットです。
私も今でこそ、ページを作成するときにはベネフィットから書くことができるようになりましたが、それができるようになるのにはかなりの時間がかかりました。それによりたくさんの成約率が低いページを作り、自社の売上を下げてしまったという苦い経験があります。読者の皆さんにはそうした失敗を最初から避けていただきたいです。ページに書く順番は「ベネフィットが先、メリットは後で!」ということを頭に入れて実践してください。
2. 商品販売ページのサブページ
物販サイトにある商品販売をするためのサブページも、サービス案内のサブページと同様に、商品の特徴や機能からではなく、ユーザーが得られるベネフィットから書くと精読率の向上が目指せます。
《シルク枕カバーの商品販売サブページにあるベネフィットの表現》
商品の特徴は長文で書くとユーザーが文章を読む負担が増すため、最近では、箇条書きで商品の特徴を書いているサイトが増えています。
《箇条書きで商品の特徴を書いているAmazonの商品販売ページの例》
商品の特徴を長文で説明すると、ユーザーの負担が増大し、情報が効果的に伝わらない可能性があるため、箇条書きで表現するサイトが増えています。箇条書きで表現する理由には次のようなものがあります。
《箇条書きで表現する理由》
① 読みやすさが向上するから
箇条書きにすることで、情報が整理され、視覚的に読みやすくなります。ユーザーは必要な情報をすばやく見つけることができ、商品の特徴を理解しやすくなります。
② 情報を整理して強調できるから
箇条書きで商品の特徴を提示することで、重要なポイントを強調し、情報を整理することができます。各項目が独立しているため、ユーザーは関心のある特徴に注目しやすくなります。
③ スキャナビリティが向上するから
ユーザーは、ウェブページを詳細に読むのではなく、全体を素早くスキャンする傾向があります。箇条書きは、スキャナビリティを高め、ユーザーが重要な情報を見落とさないようにするのに役立ちます。スキャナビリティ(Scanability)とは、ウェブページやドキュメントの内容を素早く把握できる度合いを表す言葉です。
④ モバイルフレンドリーだから
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及により、長文は読みにくくなっています。箇条書きは、モバイルデバイスでも読みやすく、情報を簡潔に伝えることができます。
⑤ 情報の取捨選択がしやすいから
長文で商品の特徴を説明すると、重要な情報とそうでない情報が混在し、ユーザーが必要な情報を見つけにくくなります。箇条書きにすることで、ユーザーにとって重要な特徴を厳選し、簡潔に伝えることができます。
以上のような理由から、商品の特徴を箇条書きで表現することが主流になっています。これにより、ユーザーの読む負担を軽減し、商品の魅力を効果的に伝えることができます。
《塗料販売サイトの商品販売サブページにある商品の特徴》
もう一つの最近の流行は、商品が売れていることを示すために、商品の評価を星印で表示することや、ユーザーのコメントがAmazonの商品販売ページのように掲載することです。
《作業着販売サイトの商品販売サブページにある商品レビューの例》
商品の評価を星印で表示したり、ユーザーのコメントを掲載したりすることが最近の流行となっている理由は次のようなものがあります。
《商品の評価を星印やユーザーのコメントを掲載することが最近の流行となっている理由》
① 社会的証明を見せるため
社会的証明(Social Proof)とは、自分の判断ではなく他者の判断に基づいて自身の行動を決定する心理のことです。星印の評価やユーザーコメントは、その商品が他の人に支持されていることを示す社会的証明になります。人は他者の行動や意見に影響を受ける傾向があるため、高い評価やポジティブなコメントは、購入検討中の潜在的な顧客の決定を後押しする効果があります。
② 信頼性を向上させるため
実際の購入者による評価やコメントは、商品の品質や使用感について信頼できる情報源となります。販売者による一方的な宣伝とは異なり、ユーザーの生の声は信憑性が高いと perceived され、商品や販売者への信頼感を高めます。
③ 購入判断を助けるため
星印の評価は、商品の品質を一目で把握できる指標となります。また、ユーザーコメントは、商品の長所や短所、使用感など、詳細な情報を提供してくれます。これらの情報は、購入を検討しているユーザーにとって、判断材料として非常に有益です。
④ エンゲージメントを向上させるため
商品のページにユーザーのコメントを掲載することで、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。コメントを読んだユーザーが返信したり、新たなコメントを投稿したりすることで、商品に対する関心や議論が深まり、ページへの滞在時間が増加します。
⑤ SEOに良い影響を与えるため
ユーザー生成コンテンツ(UGC)であるコメントは、商品ページのコンテンツを豊富にし、検索エンジン最適化(SEO)に好影響を与えます。コメントに含まれるキーワードが、検索エンジンのクローラーに認識され、商品ページのランキングが向上する可能性があります。
これらの理由から、商品の評価を星印で表示し、ユーザーコメントを掲載することが主流になっています。これらの要素は、潜在的な顧客の信頼を獲得し、購入決定を後押しするのに役立ちます。
他には、文章だけで商品の良さを伝えるのでは限界があるので、なるべくたくさんの画像を掲載することも一般化しています。
《作業着販売サイトの商品販売サブページにある商品画像の例》
商品販売ページにおいて、文章だけでなく多くの画像を掲載することが一般的になっているのには次のような理由があります。
《文章だけでなく多くの画像を掲載することが一般的になっている理由》
① 視覚的な訴求力が増すから
人は視覚的な情報に強く影響を受けます。商品の画像は、言葉では伝えきれない商品の魅力を視覚的に訴求することができます。多くの画像を使用することで、商品の特徴や利点を効果的に伝えることができます。
② 商品理解を促進するため
文章による説明だけでは、商品のイメージをつかむのが難しい場合があります。多角度からの画像や詳細な画像を提供することで、ユーザーは商品をより深く理解することができます。これは、購入決定を後押しする上で重要な要素となります。
③ 情報を補完するため
文章では伝えきれない商品の細部や使用イメージなどを、画像を通じて補完することができます。サイズ感や色合い、素材感など、文章だけでは説明が難しい情報を画像で提供することで、ユーザーの理解を深めることができます。
④ エンゲージメントを向上させるため
画像は、文章よりもユーザーの注意を引きつけやすい傾向があります。魅力的な画像を多数掲載することで、ユーザーのページへの滞在時間が増加し、エンゲージメントの向上につながります。
⑤ ソーシャルメディアでの共有を促進するため
画像は、ソーシャルメディアでシェアされやすいコンテンツです。商品ページに魅力的な画像を多数掲載することで、ユーザーがその商品を友人や知人にシェアする可能性が高まります。これは、商品の露出拡大や新規顧客の獲得につながります。
⑥ 購入意欲を喚起するため
魅力的な商品画像は、ユーザーの購買意欲を刺激します。多様な画像を使って商品の魅力を訴求することで、ユーザーの購入意欲を高め、コンバージョン率の向上につなげることができます。
このように、商品販売ページで多くの画像を掲載することは、視覚的な訴求力、商品理解の促進、情報の補完、エンゲージメントの向上、ソーシャルメディアでの共有促進、購入意欲の喚起など、様々なメリットがあるため、現在のウェブサイト制作において一般的になっています。
まとめ
サブページのライティングにおいては、ユーザーが得られるベネフィットを冒頭で訴求し、メリットでそれを裏付けることが重要です。また、商品の特徴は箇条書きで表現し、評価やユーザーコメントを掲載することで信頼性とエンゲージメントを高めましょう。さらに、多くの画像を使用することで、視覚的訴求力を高め、購入意欲を喚起することができます。これらのポイントを押さえることで、サブページの成約率を向上させることができるでしょう。