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単品サービス販売サイトのトップページの成約率を高める方法

最終更新日:2024年4月20日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

ウェブで大きな売上を上げている企業が運営しているのが「単品サービス販売サイト」です。しかしトップページに載せるコンテンツが適切なもので無いと、検索エンジンでの上位表示がされにくくなるだけでなく、運良く上位表示したとしても売上は思うように増えません。今回は、単品サービス販売サイトのトップページにどのようなコンテンツを載せると成約率が高まるのかを解説します。

単品サービス販売サイトとは?

単品サービス販売サイトとは、遺品整理会社、エアコンクリーニング会社、エアコン修理会社、外壁塗装会社、屋根修理会社、買取業者、占い、カウンセリング、電話代行会社などのような1つのサービスだけを販売するために作ったサイトのことです。1つのサービスだけを提供するサイトを探しているユーザーが見たい情報は、「そのサービスのことだけ」が説明されたページです。

《 「遺品整理 埼玉」で上位表示している単品サービスサイトのトップページの例》

ちなみに、単品サービス販売サイト以外の「複数サービス販売サイト」は、家の片付けを代行するサイトで粗大ごみ回収サービス、ゴミ屋敷整理サービス、遺品整理サービスなど複数の家の片付けに関するサービスを販売しているサイトです。あるいは、リフォーム会社のサイトで、外壁塗装サービス、屋根修理サービス、水回りリフォームサービス、家丸ごとリフォームサービスなどの複数の家のリフォームサービスを提供しているサイトです。

何故、ウェブ上には単品サービス販売サイトが多数存在するのか?

何故そもそも単品サービス販売サイトがウェブ上にたくさん存在するのかというと、資本力がある大手企業ならたくさんの社員と技術があるため複数のサービスを提供できます。しかし規模の小さな中小企業や個人事業主は資本が少ないため少数の社員と大手企業ほど高度な技術が無いため1つのサービスだけを選び、そのサービスに磨きをかけることにより競合他社よりも優位性が高いサービスを提供することが可能だからです。

これは別の言い方をすると、中途半端にたくさんのサービスを提供するよりも、1つの光ったサービスを提供することにより顧客に選ばれやすくするという中小・個人企業の生き残りの戦略だと言えます。ウェブ上にはたくさんの中小・個人企業が単品サービス販売サイトを作ってそれぞれの個性や強みを活かして受注をし、売上を立てているため多種多様なサイトが存在し消費者に多様な選択肢を提供しているのがウェブの魅力だと言えます。

単品サービス販売サイトのトップページが何故重要なのか?

単品サービス販売サイトのトップページにはそのサービスのことだけを説明するのがユーザーのニーズを満たすのに効果的です。そしてそうすることによりトップページの検索順位が上がりやすくなります。

何故トップページの検索順位が高くなるのかというと、例えば、遺品整理会社が遺品整理というサービスを販売するために、遺品整理サービスを販売するサイトを作ったとします。その場合、そのサイトにあるページのほとんど全ては遺品整理に関するページになるはずです。

例えば、遺品整理サービスの料金のページ、遺品整理サービスの事例についてのページ、遺品整理サービスの流れについてのページ、遺品整理サービスに関するよく頂くご質問ページなどです。

《遺品整理サービスという単品サービスを販売しているサイトの構造》

このように特定のサイト内で1つのサービスのことに関するページだけがある場合、「遺品整理 埼玉」というキーワードで検索するとそのサイトのトップページが上位表示されやすいという法則があるのです。もう一つの理由としては、トップページはポータルサイトや、比較・口コミ・ランキングサイトや、Google等の検索エンジンからリンクされることが多いのでGoogleによる評価が他のページよりも高くなります。

さらには、多くの企業がサイトを更新するときにトップページが目立つので、トップページの更新頻度が高くなる傾向があります。Googleは作りっぱなしのページではなく、更新頻度が高いページを高く評価する傾向があります。こうした様々な理由により、単品サービス販売サイトのトップページは検索で上位表示しやすくなり、検索ユーザーの目に触れやすくなるのです。

単品サービス販売サイトのトップページでユーザーが知りたい情報とは?

単品サービス販売サイトのトップページでユーザーが知りたい情報は:

① サービスの内容
② サービスが提供するベネフィット
③ 他社のサービスとの違い
④ おおよその料金
⑤ サービス提供企業の信頼性

というほとんどがサービスそのものについてのことだけだと考えられます。

サービスの内容説明は比較的多くの文字数が必要になります。そのため地域密着型サイトのトップページと比べると長めのトップページになりやすい傾向があります。文字数で言うと、地域密着型サイトのトップページが1,500文字から2,500文字程度のものが多いのに対して、単品サービス販売サイトのトップページの文字数は数千文字を超えることがよくあります。

文字数が多いと特にモバイルサイトの場合はユーザーに負担をかけるので良くないという考え方もあります。反対に、トップページを見に来たユーザーが期待した情報量が無いということのほうがユーザーは他のページを見に行かなくてはならないというストレスを与えるという考え方もあります。文字数はむやみに増やす必要はありませんが、単品サービスのことを知ってもらうために必要なだけの文字数を使ってライティングをしましょう。

単品サービス販売サイトのトップページに載せるべき項目

Google検索で上位表示しており、各業界でも業績の良いサイトを調査した結果、単品サービス販売サイトのトップページに載せるべき項目は次の項目があり、それらは極力次のような順番で載せることが検索での上位表示と見込み客からの受注を増やすために有効だということが分かってきました。

《単品サービス販売サイトのトップページに載せるべき項目》


【1】 キャッチコピー
【2】 こんな方へ
【3】 サービスの特徴
【4】 提供メニュー一覧
【5】 事例
【6】 お客様インタビューまたはお客様の声
【7】 料金
【8】 サービスの流れ
【9】 会社の簡単な紹介
【10】 Q&A

単品サービス販売サイトのトップページに載せるべき項目の多くは地域密着型サイトのものとほとんど同じものばかりですが、項目の数が少ないのと、記載する内容が企業についてではなく、1つのサービスに関するものばかりであることが特徴です。

【1】 キャッチコピー

2行から4行のそのサービスに関するキャッチコピーを書きます。そのサービスを利用することにより得られるベネフィットを書くようにしましょう。「ベネフィット」(benefit)とは、物事から得られる便益、利益、恩恵のことを指します。つまり、商品やサービスそのものの説明ではなく、商品やサービスを通じてユーザーが得られる便益、利益、恩恵のことを意味します。

ユーザーは、商品やサービスそのもののことよりも、自分が得られるベネフィットのほうに大きな関心を抱いています。そのため、商品やサービスの機能やメリットを書くよりも、ユーザーが得られるベネフィットを書いたほうがユーザーの注意を引きやすくなります。

ベネフィットとメリットは似ている言葉ですが意味が異なります。ベネフィットは、顧客が商品やサービスを購入した際に得られる利益のことです。 つまり、商品やサービスを利用した後に得られる満足感、充実感、快適感のことです。 メリットは、商品やサービスそのもの自体の特徴や売りの部分といった機能的価値のことを意味します。

キャッチコピーはメインビジュアルの画像の中か、その下に書きます。キャッチコピーで伝えきれないメッセージはサブキャッチコピーとして、キャッチコピーの上か下に書きます。

キャッチコピー:
プロのエアコンクリーニング

サブキャッチコピー:
分解・高圧洗浄でエアコン内の「カビ・ほこり・油」を除去します!

《エアコンクリーニング会社のトップページのキャッチコピー》

キャッチコピー:
あなたの秘書として、即戦力!

サブキャッチコピー:
電話代行を専門に25年超、12,000社以上の実績

《電話代行会社のトップページのキャッチコピー》

キャッチコピー:
眠れる在庫がふたたび輝きはじめる

サブキャッチコピー:
なし

《在庫買取会社のトップページのキャッチコピー》

【2】 こんな方へ

どのような状況、心境の見込み客に提供しているサービスなのかを書くことにより、見込み客の気持ちに共感している姿勢を示し、反応率を高めることが目指せます。

《「こんな方へ」の例》

【3】 サービスの特徴

単品サービスがこれまで顧客から選ばれてきた理由を思い出すか、想像し、箇条書き形式で3つから5つ程度の「サービスの特徴」、または「選ばれる理由」を書きましょう。ただし、その際は極力、サービスのメリットではなく、ユーザーが得られるベネフィットを書くように心がけ見込み客の関心を引くことを目指しましょう。

《カウンセリングサービスのトップページにある特長の説明》

《遺品整理会社のトップページにある特徴の説明》

【4】 提供メニュー一覧

単品サービス紹介サイトの場合でも複数の細かいサービスがあることがあります。細かいサービスが複数ある場合はそれら細かいサービスのメニューを記載します。そして出来る限り、それらの細かいメニューの案内ページを1つ1つ作成してそれらにリンクを張りましょう。そうすることにより、サイトの回遊率とユーザーのサービスに対する理解度が高まり、成約率の向上が目指せます。

《企業法務サービスのサイトのトップページにある細かい提供メニューの例》

【5】 事例

見込み客はサービスを利用しようとする時、そのサービスを提供している企業の実績を知りたがります。そうしたニーズに応えるためには、事例をなるべくたくさん見せることが効果的です。トップページに複数の事例を載せて、もっと多くの事例が見られるように事例紹介ページへのリンクを張ると信用してくれやすくなります。

《遺品整理会社のトップページにある事例と事例ページへのリンク例》

【6】 お客様インタビューまたはお客様の声

お客様インタビューページかお客様の声のページへのリンクを 2〜4件程度トップページに掲載するとサービスに対する安心感が増しやすくなります。

《電話代行会社のトップページにあるお客様の声の例》

【7】 料金

サービスの料金表か、料金の目安を載せます。ほとんどの業種において、見込み客がトップページを訪問した時に最初のほうに知りたがるのが料金に関する情報です。何故なら誰もが無限の予算を持っているわけでなく、多くの人達は自分が払える範囲の料金で利用できるサービスを探し、そこから最も良さそうなサービスを選択するからです。

ただし、サービス利用料金が数十万円以上の高額なサービスを提供している場合や、付加価値が高いため競合他社よりも高額なサービスを提供している場合は、最低料金だけを載せて金額の後に「〜」または「より」という表現にしないと問い合わせが増えないことが稀にありますので注意が必要です。競合他社のサイト、特に業績が良さそうな企業のサイトの料金表示の方法を参考にして最適な表現を考案しましょう。

《電話代行会社のトップページにある料金一覧の例》

【8】 サービスの流れ

初めてサービスの利用を検討している見込み客に申し込みからサービス提供までの流れを示すことによりイメージがつかみやすくなり成約率が高まりやすくなります。トップページには流れの概略を完結に説明して、詳しい流れと各工程の説明は別に「サービスの流れ」または「ご利用の流れ」というページを作り、そこにリンクを張っているサイトが多数あります。

《電話代行会社のトップページにあるサービスの流れの例》

【9】 会社の簡単な紹介

単品サービスのトップページを見に来るユーザーが見たいものは基本的にそのサービスの全体像ですが、そのサービスを提供している企業の信頼性を気にしていることが考えられますので、会社の簡単な紹介を数百文字以内で表現して、詳細ページを見るためのリンクを設置して、そこをクリックすると会社案内ページに飛ぶようにすると信頼性の向上が目指せます。

《美容室開業支援サービスのトップページにある会社案内情報と詳細ページへのリンクの例》

【10】 Q&A

近年増えているのがトップページの一番下によく頂くご質問とそれらへの回答を書いたQ&Aを3組から6組程度載せることです。想定される質問を載せることにより、購入を検討している見込み客を後押しすることが期待できます。

《美容室開業支援サービスのトップページにあるQ&A集とQ&Aページへのリンクの例》

以上が、単品サービス販売サイトのトップページの成約率を高める方法です。遺品整理会社、エアコンクリーニング会社、エアコン修理会社、外壁塗装会社、屋根修理会社、買取業者、占い、カウンセリング、電話代行会社などのような1つのサービスだけを販売するために作ったサイトを運営している方は、トップページをこのような構成にしてみて下さい。それにより、変更前と比べて成約率が高まるはずです。

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