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地域密着型サイトの売上が増えない!地域密着型サイトのトップページの成約率を高める方法

最終更新日:2024年4月16日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

地域密着型サイトとは?

地域密着型サイトを運営しているのに思ったように売上が増えないという悩みを抱えていませんか?地域密着型サイトとは、事業拠点がある周囲のエリアから見込み客を集客するためのサイトのことをいいます。地域密着型サイトには、病院、クリニック、整体・整骨院、エステサロン、士業、スクール、学習塾、スポーツジム、不動産会社、工務店、ウェブ制作会社、飲食店、ネット通販をしていない小売業などのサイトがあります。

サイト運営者の目論見どおりに、サイトを見たユーザーに来店してもらうためには、これら地域密着型ビジネスのサイトを探しているユーザーが、サイトのトップページで何を見たいかを推測して、それらの情報を的確にトップページに掲載する必要があります。

《地域密着サイトのサイト構造》

そうすることによって、ユーザーが探している情報をスピーディーで取得できるようになり、来店するという決断をしやすくなります。反対に、ユーザーが探している情報が見つかりにくいトップページを作ってしまうと、ユーザーはもっとわかりやすいサイトは他に無いかと思い、競合他社のサイトを見たくなるためにサイトを離脱するリスクが生じます。

ユーザーはページ内でどのような情報を見たがるのでしょうか?それを知る方法には次の2つがあります:

① Google検索で上位表示している競合サイトのページの構成を観察する
② 業界の中で売上が多いと思われる競合サイトのページ構成を観察する

① Google検索で上位表示している競合サイトのページの構成を観察する

Googleは2018年から、検索順位を決める基準の一つとして検索ユーザーが検索したキーワードとページの内容の関連性を重視するコアアップデートというアルゴリズムを導入しました。検索エンジンにおけるアルゴリズムとは、検索順位を決めるための計算方法のことをいいます。

コアアップデートの導入により、Googleではサイトの人気があるかという基準だけでなく、ページ内のコンテンツが検索ユーザーが検索したキーワードと関連性が高く、かつ検索意図を満たしているページを高く評価し上位表示させるようになりました。反対に、キーワードと関連性が低い、ユーザーの検索意図を満たしていないとGoogleが判断した場合は検索順位が下るようになりました。

検索キーワードと関連性が高いコンテンツというのは、ユーザーが探している情報がわかりやすく載っているページということです。そして検索意図を満たしているページとは、ユーザーがウェブページを見ることによって得たいと思うコンテンツが掲載されているページのことです。

ということは、関連性が高く検索意図を満たしているコンテンツとは何かを知りたければ、Googleで上位表示しているページの内容を見れば良いということになります。

《上位表示しているページの内容を観察する》

② 業界の中で売上が多いと思われる競合サイトのページ構成を観察する

ただ単にGoogleで上位表示しているページを見るだけでなく、業界内でも売上が多い企業のページの内容を見るとユーザーの心に響き行動を促すライティングにはどのようなものがあるのかを知るためのヒントが見つかることがあります。

Googleがコアアップデートを実施した2018年以来、こうしたやり方で調査した結果、地域密着型ビジネスのサイトのトップページに載せるべき項目は次の12個あり、それらは極力次のような順番で載せることがGoogleでの検索順位を上げることと売上を高めるために一定の効果があるということが分かってきました。

《地域密着型ビジネスのサイトのトップページに載せるべき項目》

【1】 キャッチコピー
【2】 リード文
【3】 こんな方へ
【4】 特徴
【5】 提供メニュー一覧
【6】 事例
【7】 お客様インタビューまたはお客様の声
【8】 サービスの流れ
【9】 店舗の簡単な紹介または代表挨拶
【10】 Q&A
【11】 店内・外観写真とその簡単な説明
【12】 アクセス情報

【1】 キャッチコピー

キャッチコピーとは、キャッチフレーズとも呼ばれるもので、読者の関心を呼び、注目度を高める 1文、1行程度のものから、数行のフレーズのことをいいます。キャッチコピーは、トップページのメインビジュアル内、またはその上か下に配置します。キャッチコピーに含めることができなかった事柄は、キャッチコピーの上か下にサブキャッチコピーとして掲載しているトップページも多数あります。キャッチコピーを考える時は、サイトゴールとターゲットユーザー、ペルソナを思い出して訴求力のあるものを考案する必要があります。

キャッチコピーの内容は次のようなことを表現、または暗示するようにしましょう。

● 見込み客が現在抱いている気持ち、感情に共感する姿勢
● 見込み客が苦痛から開放された先に抱く明るい気持ち、未来
● 見込み客が実現したいことをしっかりとサポートするという強い姿勢
● 見込み客が抱えている問題を解決できるという強い姿勢
● 競合他社と差別化できるポイント

そうすることにより「ここなら大丈夫そうだ」と見込み客が感じてくれてページの下の方を見てくれる確率が増すことになります。

反対に、自社の自慢だけをするようなキャッチフレーズだと見込み客が「自分とは関係無い」と感じて離脱するリスクが増すことになります。

キャッチコピー:
開業資金が少ないけどおしゃれな美容室を持ちたいあなたへ

サブキャッチコピー:
美容師経験のあるディレクターが費用を抑えた美容室の独立開業をサポート

《メインビジュアルの中に掲載されているキャッチコピーの例》

キャッチコピー:
新しい明日へ

サブキャッチコピー:
日本最大級の実績

《メインビジュアルの中に掲載されているキャッチコピーの例》

キャッチコピー:
安心で明確な治療費用体系 千葉県の矯正歯科専門クリニック

サブキャッチコピー:
歯並びに困っている多くの方に、矯正治療を受けていただけるように努力をしています。

《メインビジュアルの中に掲載されているキャッチコピーの例》

【2】 リード文

リード文とは導入文とも呼ばれるもので、本文に入る前に記事の冒頭部分に書く文章のまとまりのことをいいます。読者へのちょっとした挨拶や、その記事で伝えたいこと、問題提起、記事の前提となる情報などを書きます。リード文の内容が読者にとってつまらない場合や、退屈な内容だとその下の本文を読んでくれなくなるリスクが生じます。そのためリード文を書くには一定の時間をとって考案する必要があります。

トップページに載せるリード文は1行から4行程度の文章のまとまりで、メインビジュアルのすぐ下に配置します。リード文は多くの場合、誰のためにどのような商品・サービスを提供しているのかを簡単な挨拶として書きます。

リード文:
美容師経験のあるディレクターが費用を抑えた美容室の独立開業をサポート
美容室開業サポート主要エリア 東京都・神奈川県・埼玉県

《メインビジュアルの下に掲載されているリード文の例》

リード文:
【やさしさ】と【安心】がある千葉県の矯正歯科専門クリニックです。
当院は、八千代緑が丘駅前の場所にあり、千葉県広域から中高生のお子様だけなく、成人の方まで幅広く通院いただいています。
明るい院長とスタッフは対話重視で、患者様にとって「見える」「わかりやすい」治療を常に心がけています。
患者様が楽しく矯正治療が続けられるようしっかりサポートしております。

《メインビジュアルの下に掲載されているリード文の例》

【3】 こんな方へ

「こんな方へ」、「こんなことでお困りの方へ」、「こんなことでお困りではありませんか?」、「お困りの問題」または「・・・な方をサポートします」という見出しを書き、その下に見込み客が困っていること、やりたいこと等を箇条書きで書くと、それを見た見込み客が「自分のことだ・・・」と思って読み進んでもらう確率が増します。

《「こんな方へ」と同じ意味合いの「・・・をサポートします」の例》

《「こんな方へ」と同じ意味合いの「・・・寄せられるお悩みです」の例》

さらに、それぞれの項目の詳細ページを作成して、リンクを張るとページビューが増えてユーザーのサイト滞在時間が長くなりやすくなります。

《「こんな方へ」と同じ意味合いの「お困りの問題」の例》

【4】 特徴

「当店の特徴」、または「選ばれる理由」という見出しとその下にはそれらを箇条書きで3つから5つ程度書くと、他社との違いが明確になり、見込み客が申し込みをしてくれる確率が高まります。

《当院の特徴の例》

《選ばれる理由の例》

【5】 提供メニュー一覧

次に見込み客が地域密着型サイトのトップページに期待するものは、その店舗がどのようなサービスを提供しているのかという提供メニュー一覧です。これを掲載することにより見込み客は自分に適したサービスがあるということを認識し、強い関心を持つようになります。

また、単に提供メニューの一覧を掲載するのではなく、それぞれの項目をクリックするとそのサービスの詳細ページに飛ぶようにリンクを張るとサービスへの理解が深まり成約率が高まります。

《診療メニュー一覧と各メニュー詳細ページへのリンクの例》

《提供メニュー一覧と各メニュー詳細ページへのリンクの例》

【6】 事例

1から5までの情報は、店舗側の一方的な主張でしかありません。人は他人の言うことの言葉だけでなく、結果を見て判断をするものです。店舗側の主張を裏付けるための客観的な証拠、証言が必要になります。

その一つが成功事例、制作事例、修理事例等の事例の掲載です。多くの見込み客は、そのサービスを利用した人たちが実際にどうなったのかを重要な判断材料の1つとして知りたがります。事例があるサイトと無いサイトでは見込み客への説得力に大きな開きが生じます。サイトに必要なコンテンツの中でも特に事例ページは必要です。

また、サイトがオープンした後も継続的に事例ページを追加することによりサイトの成約率が高まる傾向が高いことが明らかになっています。一定の時間と予算をかけて事例ページの充実に注力しましょう。

《法律事務所の解決事例一覧と各事例詳細ページへのリンクの例》

《ウェブ制作会社の制作事例一覧と各事例詳細ページへのリンクの例》

《リフォーム会社の施工事例一覧と各事例詳細ページへのリンクの例》

【7】 お客様インタビューまたはお客様の声

店舗側が主張することの客観的な証拠、証言のもう一つの情報が、お客様インタビューまたはお客様の声です。店舗が提供するサービスを利用することによって問題が解決した顧客の証言を複数載せましょう。そのページに詳細を載せる必要はありませんが、詳細を見たいユーザーもいる可能性があるので、別に詳細ページを作成して、そこにリンクを張るとサイト滞在時間が伸びるようになります。

《複数のお客様インタビューページとアンケート結果ページへのリンクの例》

《ウェブ制作のトップページにあるお客様インタビューページへのリンクの例》

《ウェブ制作のトップページにあるお客様インタビューページへのリンクの例》

顧客に成功事例として取り上げることに同意をしてもらうには、顧客と良好な関係をサービス提供中に構築する努力が必要です。顧客が期待する以上の価値、思いやりのあるサービスを提供することにより同意してもらう確率が高まります。

また、顧客にサービスを提供する際に、モニター料金でサービスを利用してもらうと一定の割引が適用される旨を伝えることにより、協力してもらえる確率が高まります。
ただし、医療機関のサイトの場合は2018年に施行された医療広告ガイドライン等の法的な規制によりサイト上に患者さんへのインタビューや患者さんの声を載せることは禁じられています。

医療広告ガイドラインとは、2018年6月に医療法の改正により厚生労働省から施行された「医療機関の広告に対する規制を示したガイドライン」のことをいいます。この改正により、ウェブサイトも広告の一部とみなされ原則的に規制の対象になりました。この規制のため、歯科医院や、病院、クリニック等の医療機関のサイトには患者さんへのインタビューや患者さんの声を掲載することは出来ませんので注意しましょう。

【8】 サービスの流れ

商品を販売する小売業ではない、サービスを提供するホームページ制作会社等のサービス業のサイトに、サービスの流れを載せると見込み客が購買イメージをつかめるようになり、成約率の向上が目指せます。

《ウェブ制作のトップページにあるホームページ制作の流れの例》

【9】 店舗の簡単な紹介または代表挨拶

トップページの後半では店舗の簡単な紹介か、企業規模が比較的小さい店舗の場合は代表の簡単な挨拶を掲載し、詳細ページにリンクを張ります。そうすることにより見込み客は店舗への理解を深め、信用してくれる確率が増します。

《法律事務所のトップページにある事務所の簡単な紹介と代表挨拶、事務所の行動指針ページへリンクの例》

《歯科医院のトップページにある院長の簡単な挨拶と、院長プロフィールページへリンクの例》

【10】 Q&A

過去に多数の顧客からもらった質問を検証して、3組から6組程度のQ&Aをトップページの下の方に掲載することが流行っています。最も多く寄せられた顧客からの質問に答えることにより、来店、申込みへのハードルが下がることが期待できます。想定される質問が多数ある場合は、別にQ&Aページを作成してそのページにリンクを張りましょう。

《遺品整理会社のトップページの最後のほうにあるQ&A5組と詳細ページへのリンク例》

《質問部分をクリックすると答えが見られるクリニックのQ&A5組の例》

【11】 店内・外観写真とその簡単な説明

3枚から6枚程度の店舗の外観や店内の写真、設備が必要な業種では設備の写真などを載せると見込み客は来店時のイメージを事前につかむことが出来るため安心して来店、申込みの決断がしやすくなります。トップページに載せきれない他の写真は詳細ページを作ってリンクを張りましょう。

《クリニックの外観と院内を画像で紹介するクリニックの例》

 

《院内設備を画像と言葉で紹介するクリニックの例》

【12】 アクセス情報

来店イメージを掴んでもらうためのもう一つの情報が、店舗のアクセス情報です。電車や、バス、自動車での来店方法を端的に説明しましょう。トップページには最近多くのサイトがGoogleマップを貼り付けているのでGoogleマップも掲載しましょう。

クリニックや整体・整骨院、スポーツジムなどはアクセス情報の他に予約受付時間がわかる表や連絡先、受付時間なども合わせて掲載しているサイトが多数あります。
テキストや写真による詳しい道順案内や、大きな地図はアクセス情報ページを作り、そこにリンクを張りましょう。

《アクセスマップと診療予約可能時間を載せて、それぞれの詳細ページにリンクを張っている例》

以上が、地域密着型サイトのトップページに載せるべき項目と順番、そしてライティングテクニックです。必ずしもこれら12個の項目を全て載せる必要はありません。そして絶対にこの順番でなくてはならないということはありません。

しかし、極力これら12個の項目の中から複数の項目を選び、この順番で載せるようにしましょう。これらの項目は店舗のことを知りたいユーザーが:
(1)店舗の全体像
(2)他の店舗との違い
(3)安心・信頼できそうな店舗か

という3つの点が分かるように考えられているからです。

そしてこの順番は、店舗の自慢や売り込みを最初にするのではなく、問題を解決したいと願うユーザーの状況や気持ちに最初に共感し、その後にその問題を解決するには当店が最適な選択肢であるということをなるべく客観的にユーザーに伝え、理解してもらうことを目指して設計されています。

これらの項目を載せるだけでなく、極力詳細ページも作り、各項目の下からリンクを張りましょう。そうすることによりサイト滞在時間が増えて、見込み客がより多くの情報を取得してその店舗を選んでくれる確率が増します。そしてサイト滞在時間が長くなるほどGoogle等の検索エンジンはサイトを高く評価して、検索順位が高くなりやすくなります。

《トップページに掲載する各項目の詳細ページを極力作り、リンクを張る》

以上が、成約率が高い地域密着型サイトのトップページの作り方です。私のクライアントの半数以上が地域密着型ビジネスです。クライアントのサイトの競合他社のサイトで実際に上位表示しているトップページの構成を分析して、それらの良いところを取り入れるという多くの実験を繰り返してわかったことです。私のクライアント企業にこのやり方を提案し、実際に効果が出ています。皆さんもこれを参考にしてトップページを改善し、成約率を高めていただきたいです。それが出来たときに企業サイトの運営が楽しくなってくるはずです。

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