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ソーシャルメディアマーケティングとは?SNSとの違いとその実施方法

最終更新日:2024年1月25日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

今、多くの企業が熱い視線を注いでいる分野がソーシャルメディアを使った集客「ソーシャルメディアマーケティング」です。
しかし、その複雑さ、新しさゆえに多くの企業がその力を活用できない状態に甘んじています。そこに大きなチャンスが隠れています。

目次

1. ソーシャルメディアとは?

ソーシャルメディアとは、インターネット上で展開される情報メディアのあり方で、個人による情報発信や個人間のコミュニケーション、人の結び付きを利用した情報流通などといった社会的な要素を含んだメディアのことです。

ソーシャルメディアが登場する前はTVやラジオ、新聞、雑誌のようなマスメディアが発信する情報が主流で情報はマスメディアから一方的に発信されていました。しかし、ソーシャルメディアが生まれたことにより人々は自由に情報を発信することが可能になりました。

ソーシャルメディアはユーザーの発信した情報やユーザー間のつながりによってコンテンツを作り出す要素を持ったウェブサイトやネットサービスなどを総称する用語です。古くは電子掲示板やブログから、最近ではWikiやSNS、ミニブログ、ソーシャルブックマーク、ポッドキャスティング、動画共有サイト、動画配信サービス、口コミサイト、ショッピングサイトの購入者評価欄、そしてSNSなどが含まれます。

Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなどのことをソーシャルメディアと呼んだり、SNSと呼ぶことがありますが、厳密にはそれらのサービスはユーザー同士のコミュニケーションが主軸となっているサービスなのでSNSだといえます。

2. ソーシャルメディアとSNSの違い

SNSとは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の頭文字で、人と人とのつながりを維持・促進するさまざまな機能を提供する、会員制のオンラインサービスのことです。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といった共通点やつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供するサービスで、ウェブサイトや専用のスマートフォンアプリなどで閲覧・利用することができるものです。

Facebook、X、Instagram、LINEなどはユーザー同士のコミュニケーションが主軸となっているサービスであるため、SNSだといえます。そしてSNSはソーシャルメディアの一部であるといえます。

※ 厳密にはLINEはSNSではなく、メッセンジャーアプリであるという意見もありますが、SNSの1つの形態であるという意見が主流です。

※ Twitterは創業者のジャック・ドーシー氏が、過去にメディアの取材で「私はTwitterはSNSだと思っていません。」と返答したことからSNSでは無いという意見もありますが、SNSの1つの形態であるという意見が主流です。

3. SNSの基本的な仕組み

ソーシャルメディアの中でも非常に人気の高い形態であるSNSの基本的な仕組みは、次の9つの要素で構成されています。

① ユーザー登録

SNSを利用するためには、まずユーザー登録が必要です。メールアドレスや電話番号を使用してアカウントを作成し、パスワードを設定します。

《InstagramとXのユーザー登録画面》

② プロフィール作成

登録後、自分のプロフィールを作成します。プロフィール画像や名前、自己紹介文などを設定することで、他のユーザーに自分をアピールできます。

《FacebookページとXのプロフィール編集画面》

③ フォロワーを増やす

自分のアカウントをフォローしたユーザーに投稿内容が配信されます。
「フォローする」とは、自分以外のアカウントの投稿内容を自分のタイムライン上(SNSアプリを開いたトップの画面)に継続的に表示させることをいいます。

「フォロワー」とは、自社のアカウントで投稿する内容に興味・関心を持ってくれるアカウントのことです。フォロワーアカウントのタイムライン上には、フォローしたアカウントの投稿内容が表示されます。

SNSでは、フォロワーを増やさないとコンテンツの配信先が増えません。自分のアカウントのフォロワーを増やすことはSNS内での影響力を増すことになるためフォロワーの獲得は非常に重要な課題です。

《FacebookページとXのフォローボタン》

④ コンテンツの投稿・共有

SNSでは、テキスト、画像、動画など様々なコンテンツを投稿して、共有することができます。投稿されたコンテンツは、友達やフォロワーのフィードに表示されます。

《InstagramとXのコンテンツ投稿画面》

《InstagramとXのフィード画面》

⑤ いいね・コメント・シェア

投稿されたコンテンツに対して、他のユーザーは「いいね」ボタンを押すことやコメントの投稿、シェアをすることができます。これにより、投稿者はコンテンツの反響や評価を知ることができ、コミュニケーションが活発化します。

《Facebookページのフィード投稿に表示されている「いいね」、「コメント投稿」、「シェア」ボタンの例》

⑥ メッセージ機能

ほとんどのSNSには、ユーザー間でプライベートなメッセージをやり取りできる機能があります。これにより、友達やフォロワーと直接コミュニケーションがとれます。

《InstagramとFacebookページのメッセージ送信画面》

⑦ グループ機能

一部のSNSでは、共通の趣味や興味を持つユーザーが集まるグループを作成、参加できます。これにより、グループ内のメンバー同士で新たな交流や情報共有が可能になります。

《Facebookアプリ内のグループ一覧ページとグループページ》

⑧ ハッシュタグ・キーワード検索

SNSでは、ハッシュタグやキーワードを使って、関心のあるトピックやコンテンツを検索できます。ハッシュタグとは「#」という記号のことで、ハッシュタグの後にSNS内の検索エンジンでひっかかりたいキーワードを記述します。

ハッシュタグやキーワードを利用することで、特定のトピックに関連する投稿やユーザーを見つけることができ、自分の興味・関心に沿ったコンテンツを探すことが容易になります。

《Xアプリ内の検索画面と、検索結果ページに表示された投稿の例》

⑨ アクションの通知機能

SNSでは、他のユーザーからのいいね、コメント、メッセージ、フォローなどのアクションがあった際に、通知を受け取ることができます。これにより、自分の投稿やアカウントへの反応をリアルタイムで把握することができるので将来の投稿内容の改善のヒントを得ることが可能です。

《Xアプリ内とFacebookアプリ内のお知らせ画面の例》

4. ソーシャルメディアマーケティングとは?

こうした非常に便利な機能をたくさん備えるSNSが普及することにより、多くの企業がSNSを使った集客法、「ソーシャルメディアマーケティング」を実施して新規顧客を獲得するようになりました。

「ソーシャルメディアマーケティング」とは、ソーシャルメディアプラットフォームを活用して商品やサービスを宣伝し、ブランドの認知度を向上させ、顧客との関係を築くためのマーケティング手法のことです。

「プラットフォーム」(platform)とは、他の企業や個人が自らの製品やサービスを提供できる共有のインフラストラクチャーのことをいいます。「インフラストラクチャー」(infrastructure)とは生活や産業活動の基盤のことです。元々プラットフォームとは、サービスやシステム、ソフトウェアを提供・カスタマイズ・運営するために必要な「共通の土台(基盤)となる標準環境」を指す言葉です。

ソーシャルメディアマーケティングの主な目的は、コンテンツの投稿や広告を通じてターゲット顧客にアプローチし、ウェブサイトへのトラフィックを増やし、最終的には売上や利益を増加させることです。

企業がウェブマーケティングを実施する上で作成するコンテンツの主な配信先であるトリプルメディア:

[1] オウンドメディア
[2] アーンドメディア
[3] ペイドメディア

のうち2つめの「アーンドメディア」がソーシャルメディアです。

そのソーシャルメディアを集客に活用するのがソーシャルメディアマーケティングです。

ソーシャルメディアマーケティングの戦略と手法は次のようなものがあります。

① コンテンツの投稿

企業がターゲットユーザーにとって有益なコンテンツを作成し、ソーシャルメディアに投稿することで、自社ブランドのメッセージを伝えます。コンテンツの形式には、テキスト、画像、動画、インフォグラフィックなどさまざまなものがあります。

② ユーザー生成コンテンツの活用

企業がその顧客やファンが作成したコンテンツをシェアすることで、ブランドの信頼性を高め、コミュニティのエンゲージメントを促進します。例えば、ユーザーが自社商品・サービスを利用した感想を投稿した時は、それをシェアします。

《シェアされたユーザー生成コンテンツの例》

こうしたユーザー生成コンテンツ(UGC: User Generated Content)は、顧客やファンのリアルな体験や意見を伝えることができるため、他の顧客に対する信憑性が高いコンテンツになります。

③ コミュニティの構築

企業がソーシャルメディアでフォロワーを増やし、コミュニティを構築することで、企業ブランドへの関心や忠誠心を高めることができます。

④ 顧客とのコミュニケーション

企業は、DM(ダイレクトメッセージ機能)を利用することにより顧客との直接的なコミュニケーションを可能にします。DMとは、ダイレクトメッセージの略で、お互いがフォロー関係にあってもなくても、直接相手にメッセージを送信することができる機能のことです。
これにより、顧客から商品・サービスの感想を受け取ったり、顧客に対するサポートを提供することができます。

⑤ インフルエンサーマーケティング

ソーシャルメディア上で影響力のある人物やオピニオンリーダーと企業が提携し、ブランドの認知度や信頼性を高めることができます。インフルエンサーとは、影響や勢力、効果といった意味を持つ「influence」という英語が語源で、世間や人の思考、行動に大きな影響を与える人物のことを言います。インフルエンサーは、自分のフォロワーに企業の商品・サービスを推奨することで、新たな顧客を獲得する手助けをします。

⑥ ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、企業がソーシャルメディア上でブランドや競合に関する会話を観察し、顧客のニーズや期待に対応するための戦略を立てる取り組みを指します。

⑦ 広告とプロモーション

企業は、ターゲットユーザーの好みや属性に合わせて広告を配信することができます。これにより、効果的なプロモーション活動を実施し、リーチを拡大することができます。

《Facebookの広告出稿画面の例》

⑧ 分析と評価

企業は、アクセス解析ツールを利用することにより、ソーシャルメディアマーケティングの成果を測定、分析して、戦略の改善や最適化を行うことができます。ソーシャルメディアマーケティングの成果を示す主な指標には、エンゲージメント、フォロワー数、リーチ(到達率)、ウェブサイトへの流入、コンバージョン率などがあります。

コンバージョンとは転換、変換、変化を意味する英単語で、ウェブサイトを訪れたユーザーが、サイト運営者が期待する最終的な行動を起こすことを指します。コンバージョンには、商品の購入、資料請求、会員登録などがあります。コンバージョン率は、成約率と呼ばれることもあります。

これらの指標をKPI(重要業績評価指標)として設定することによりキャンペーン途中での軌道修正や戦略の変更に役立てます。

《Facebookのアクセス解析ツール「Meta Business Suite」》

企業はこうした数々の手法を組み合わせて適切に活用することで、ソーシャルメディアマーケティングを実施してブランドの成長と成功に大きく役立てます。

5. ソーシャルメディアマーケティングが重要な理由

ソーシャルメディアマーケティングの重要性は、消費者がブランドや製品に関する情報を求める際にソーシャルメディアを頼りにするようになってきているため非常に高まっています。ソーシャルメディア内での自社コンテンツの露出がないと、大きな機会を逃してしまうことになります。その理由には次のようなものがあります。

① スマートフォンユーザーの多くが毎日何度もソーシャルメディアを利用している

総務省情報通信政策研究所が発表した『令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、「モバイル機器によるインターネット利用の各項目の平均利用時間が全年代では、平日、休日ともに「ソーシャルメディア」が最も高く、それぞれ 48.0%、45.1%で、年代別では、平日は 10 代、20 代、30 代及び 40 代で「ソーシャルメディア」の行為者率が最も高く、50%を上回っている。」ということがわかっています。

このように人々は毎日何度もソーシャルメディアを利用しており、企業にとっては見込み客に自社の情報を露出する絶好の場です。インターネットの発展に伴い、ソーシャルメディアマーケティングは選択肢ではなく必須であると言えるもので、競争が激化する中で見逃すわけにはいかない存在です。

② カスタマージャーニーの様々な段階でターゲットユーザーにアプローチできる

ターゲットユーザーのカスタマージャーニー上の行動段階の(1)課題認識、(2)興味、(3)比較検討、(5)リピート という4つの段階のタッチポイントにおいて、SNSやその他のソーシャルメディアを使うことによりターゲットユーザーに効果的なアプローチが可能になります。また、最近ではいくつかの人気SNSはショッピング機能を追加しており、それにより(4)購入 という段階へのアプローチが可能になっており、ソーシャルメディアは益々ウェブマーケティングの重要な実施手段となっています。

《B2Cのカスタマージャーニーマップの例》

③ Googleでの指名検索が増えるのでSEOに有利になる

SNSで情報発信をすることにより、Googleでの指名検索が増えるようになります。
SNSのユーザーがSNS内の投稿を見て初めて知った企業名やブランド名で検索することが多いからです。

SNSを通じて初めて知った企業名やブランド名のことを調べるためにGoogleに行って企業名やブランド名で検索をすることがあります。

Google検索をして、公式サイトを見つけたユーザーが公式サイトを見に行けば公式サイトの訪問者数が増えます。そのままサイト上で商品・サービスを購入してくれることもあり、購入してくれなかったとしても、Googleの検索結果ページ上にある公式サイトへのリンクをクリックしたという実績をGoogleが評価してくれてGoogle検索での上位表示にプラスに働きます。

《Instagram内で「医療用ウィッグ」で検索して、Googleで企業名で検索し、公式サイトをユーザーが訪問するイメージ図》

あるいは、SNS内で発見したお店の評判をチェックするためにGoogle検索で「(店舗名) 口コミ」で検索し、口コミ情報が掲載されている口コミ情報サイトを見ることもあります。そしてそこに良い評判が多数投稿されていたらそのお店で安心して商品・サービスを購入するということもあります。

《Instagram内で「医療用ウィッグ」で検索して、Googleで「(店舗名) 口コミ」で検索し、口コミ情報サイトを見るイメージ図》

④ サイト運営者の信頼性が高まる

サイト上にSNSのタイムラインを貼り付けることにより、その企業が活発に活動していることがターゲットユーザーの目に触れるようになります。それによりサイト運営者の信頼性が高まりサイトでの売上増に貢献します。

ここで言う「タイムライン」とは、SNSでのコメントやツイートを時系列に表示する画面のことで、ウェブページの中に貼り付けることが可能なものを言います。

《ウェブページ上に貼り付けられたXのタイムライン(左)とFacebookページのタイムライン(右)》

ツイートとは、X(旧Twitter)に投稿するメッセージのことをいいます。 テキストだけではなく、画像、動画を含めることができます。

タイムラインをウェブページのフッターあたりに貼り付けることにより、その企業の日頃の活動をユーザーがチェックできるようになり、サイト運営者が信用できるかを判断する材料になります。

また、興味深い記事が投稿されているとそのSNSの他のページも見てくれるようになり、フォロワーが増えやすくなります。

⑤ 見込み客をつなぎとめられる

サイトを初めて訪問したユーザーがその時には商品・サービスを購入しなくても、SNSをフォローしてくれればサイト運営者が後に情報を配信することにより、将来購入してもらえるきっかけになります。

⑥ 自社公式サイトへリンクを張ることができるのでサイトの訪問者数を増やせる

ほとんどのSNS、ソーシャルメディアではプロフィール欄から自社サイトにリンクを張ることができます。

また、Xや、Facebook、YouTube等は投稿したコンテンツ内から自由に自社サイト内にある様々なページにリンクを張ることできるので、自社公式サイトの訪問者数を増やすことが可能です。

6. 人気ソーシャルメディアの種類と特徴

総務省情報通信政策研究所による同調査結果によると国内で利用率が高いソーシャルメディアは全年代平均では、1位 LINE(92.5%)、2位 YouTube(87.9%)、3位 Instagram(48.5%)、4位 X(旧Twitter)(46.2%)、5位 Facebook(32.6%)、6位 TikTok(25.1%)となっています。

出典:令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

国内のソーシャルメディアの中でも特に人気があるSNSの人気サービスであるのがLINE 、Instagram、X、Facebook、YouTubeとTikTokです。

7. LINE公式アカウント


ユーザー数
月間ユーザー数9,400万人(2022年12月末時点)
メイン層
10代〜60歳以上までさまざまな年代
男女別利用率
男性44.4:%  女性:55.6%

LINEは友達同士のコミュニケーションだけでなく、家庭や企業の連絡網としても使われるようになり、ユーザー数は国内で月間ユーザー数が9,400万人(2022年12月末時点のLINE公式資料発表)と増加の一途をたどっています。

そのLINE内で自社専用ページを持てるサービスがLINE公式アカウントです。お友達登録をしたユーザーに情報を配信することができます。毎月の情報配信数が1,000通までなら無料で使え、それを超えても月額5,000円程度からの利用料金なので手軽に始めることができます。

LINE公式アカウントを持つと次のようなことができます。

① メッセージ配信

企業は、登録者に対してメッセージを送信することができます。これにより、最新情報やプロモーション、イベントなどを効果的に伝えることができます。

② クーポン

店舗で使用できるクーポンを作成し、メッセージとして配信することができます。「友だち追加の御礼に、すぐに使える10%OFFクーポンをプレゼント!」など、友だち追加のインセンティブ(動機付け、報酬)としてもクーポンが利用できるということを伝えることは効果的です。その場で使えるクーポンを訴求することで、友だち追加のハードルを下げることができます。

③ ショップカード機能

LINE上でポイントカードの発行管理ができます。利用データの分析も可能です。来店や商品購入の特典として付与するポイントを、LINE公式アカウントで発行・管理できる機能です。獲得ポイントに応じて、企業・店舗側が設定した特典を受け取ることもできます。

④ チャット

企業は、登録者からのメッセージに直接返信することができます。これにより、顧客とのコミュニケーションが円滑に行え、問い合わせやクレーム対応などが効率的に行えます。

⑤ ターゲティング機能

登録者の属性や行動履歴に基づいたメッセージ配信が可能です。これにより、顧客に適切な情報を提供し、効果的なプロモーション活動が行えます。

⑥ プロフィールページのカスタマイズ

企業は、LINE公式アカウントのアカウントページをカスタマイズすることができます。これにより、自社のブランドイメージに合ったデザインやコンテンツを配置することができます。

LINE公式アカウントを活用することで、企業は顧客とのコミュニケーションやプロモーション活動を効果的に行うことが可能です。

8. Instagram


ユーザー数
月間ユーザー数 3,300 万人(2019 年 6 月時点)
メイン層
10 代〜40 代
男女別利用率
男性:43% 女性: 57%

Instagramは写真や動画を中心にコミュニケーションを行う、ビジュアル中心のSNSです。Instagramは雑誌のように写真や動画を眺めているだけで楽しめます。
こうした手軽さからInstagramのユーザーは若年層が多く、特に女性に人気があります。

Instagramは写真や動画を投稿するSNSなので、Xのようにテキストによる検索では無く、#タグ(ハッシュタグ)と呼ばれる目印に検索されたいキーワード、例えば「#スイーツ」、「#京都観光」をつけて、写真や動画を検索しやすくする機能があります。

ハッシュタグをたどる(通称「タグる」)だけで、好きな画像や動画を視聴できるので、興味のある情報のみを集めることが可能です。投稿欄に、関連するハッシュタグを付けることで、投稿内容を見てほしい層に情報を配信することができます。

《Instagramアプリの仕組み》

企業がInstagramを使う時は、個人アカウントではなく、ビジネスアカウントを作成します。ビジネスアカウントは1ユーザーにつき5つまで設定可能です。ビジネスアカウントを持つと次のようなことができます。

① フィード投稿

フィード投稿とはInstagramの投稿の中で最も基本的なもので「通常投稿」とも呼ばれるものです。Instagramは画像や動画が中心のプラットフォームであるため、魅力的な画像や動画をフィードに投稿するとユーザーが見てくれて、もっとコンテンツを見たいと思ったユーザーがフォローをしてくれるようになります。

Instagramでは、定期的にコンテンツを投稿することが重要です。投稿頻度を一定に保つことで、フォロワーのエンゲージメントが向上し、集客効果が高まります。

《フィード投稿の例》

② リール投稿

リール投稿とは、最長90秒の縦型動画を作成、発見できる機能です。 スマートフォンの全画面に表示される縦型の動画を投稿することができます。
リール動画はInstagramが扱うコンテンツの中でも非常に人気があり、通常のフィード投稿よりも、拡散性が高いと言われています。

《リール投稿の例》

③ ストーリーズの投稿

「ストーリーズ」とはスライドショーのような形式で画像や動画が投稿できる機能のことです。 投稿されたコンテンツは24時間で消えて見られなくなります。
フォロー中のアカウントのストーリーが表示されます。アイコンをタッチすると再生され、左スライドするとスキップできます。

ストーリーズを使って、限定的な情報や裏話、イベントの様子などを投稿することで、フォロワーとのつながりが強まります。

《ストーリーズのメニューと投稿されたストーリー》

④ ハッシュタグを活用して検索エンジンで上位表示をする

投稿に関連するハッシュタグ(#)を使用することで、ターゲット層が興味を持ちやすいコンテンツを提供できます。また、ハッシュタグを通じて新規ユーザーに露出し、フォロワーを増やすことができます。

《フィード投稿の中に記述されたハッシュタグの例》

⑤ ショッピング機能の活用

Instagramでは、商品タグを付けてショッピング機能を活用することができます。これにより、ユーザーはInstagram上で直接商品を購入することができ、売上の向上につながります。ただし2023年現在日本国内ではInstagram内での決済はできないため、企業が運営する公式サイトへリンクを張りユーザーに遷移をしてもらうところまでしかできません。

ショッピング機能を利用するためには、Instagramビジネスアカウントに切り替え、Facebookカタログと連携する必要があります。「Facebookカタログ」とは、FacebookとInstagramで宣伝・販売したい商品の情報を格納して一元管理できる機能のことです。

《Facebookカタログの設定画面》

⑥ ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用

企業は、顧客が投稿した商品やサービスに関する写真や動画をシェアすることができます。ユーザー生成コンテンツは、信頼性が高く、新たな顧客の獲得に効果的です。

⑦ コメントやDMへの迅速な対応

フォロワーからのコメントやDM(ダイレクトメッセージ)に対して適切で迅速な対応を行うと、フォロワーとのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係が築かれます。

⑧ キャンペーンやコンテストの開催

フォロワー向けにキャンペーンやコンテストを開催すると、フォロワーの参加意欲が高まり、企業の認知度やフォロワー数が増えることが期待できます。

⑨ インフルエンサーとのコラボレーション

企業はインフルエンサーと提携して、彼らのフォロワーに向けたプロモーションを行うことができます。これにより、企業の認知度が向上し、新規顧客を獲得できる可能性が高まります。

⑩ 広告の活用

Instagram広告を利用すると、ターゲット層に合わせた広告を配信できます。広告を出稿することにより、フォロワー数の増加や認知度向上、コンバージョンの向上が目指せます。

⑪ 分析ツールを活用した効果測定

Instagram Insightsなどの分析ツールを使って、投稿のパフォーマンスを評価できます。これにより、効果的なコンテンツや投稿タイミングを見つけることができます。

これらの方法を組み合わせて実践することで、企業はInstagramを活用した集客活動を効果的に行うことができます。ターゲット層に合ったコンテンツを提供し、フォロワーとの関係を大切にすることが成功の秘訣です。

9. X(旧Twitter)


ユーザー数
月間ユーザー数4,500万人(2017年10月時点)
メイン層
10代〜40代
男女別利用率
男性:46.5% 女性: 45.9%

Xは、世界中で広く利用されているSNSで主に次のような特徴があります。

① 短文投稿

Xの投稿は、通常の無料アカウントでは全角で140文字、半角で280文字までの短文(ツイート)を投稿できます。Xでは簡潔で分かりやすい情報発信が求められます。
※ 有料プラン「Xプレミアム」の契約者であれば半角のみの場合は最大25,000文字、全角の場合は最大12,500文字までの文字数が投稿できます。

② リアルタイム性

Xはリアルタイムで情報が更新されるため、速報性のあるニュースやイベントに対する反応がすぐに得られる傾向があります。

③ ハッシュタグ

キーワードを「#」で始めるハッシュタグを使って、関連するツイートをまとめたり、特定のトピックやイベントについて話題を集めることができます。

④ フォローとフォロワー

ユーザーは他のアカウントをフォローすることで、そのアカウントのツイートをタイムラインに表示させることができます。また、自分がフォローされることでフォロワーが増えます。

⑤ リツイート

「リツイート」とは、他人のツイートを引用して、自分のタイムラインに表示することをいいます。
ユーザーは他のユーザーのツイートをリツイートすることで、自分のタイムラインに表示させたり、自分のフォロワーにそのツイートを共有することができます。

⑥ いいね

「いいね」とは、投稿者の投稿内容に対する好意的な気持ちを示す機能のことです。
いいね機能を使って、気に入ったツイートに反応を示すことができます。

⑦ リプライ機能

リプライとは、英語で返事を意味するreplyのことで、誰かのツイートに対する「返信」のことを意味します。
リプライ機能を使って、他のユーザーのツイートに対してコメントを付けることができます。

⑧ ダイレクトメッセージ

ダイレクトメッセージ(DM)機能を使って、プライベートなメッセージのやり取りもできます。

これらの特徴から、Xは情報発信や意見交換、ニュースの収集などに広く利用されている影響力のあるプラットフォームです。リアルタイム性が高く、簡潔な情報発信が可能であることが魅力です。

企業がXを使う時は、有料のビジネス専用アカウントの「Xプレミアム」というものもありますが、無料の個人アカウントでも商用利用ができます。

Xによる集客効果を最大化するためのポイント

Xで集客を成功させるためには、魅力的でユーザーの興味を引くコンテンツを投稿し、フォロワーを増やし、フォロワーとのエンゲージメントを高めることが重要です。以下のポイントを考慮して、効果的なツイートを投稿しましょう。

① キャッチーなタイトル

見出しやタイトルが興味を引くものであれば、人々はより簡単にクリックして詳細をチェックしようとします。

② 有益な情報

役立つ情報やヒント、アドバイスを提供することで、フォロワーがあなたのアカウントを信頼できる情報源として認識し始めます。

③ 人間味のある要素を加える

自分自身の気持ちや企業の裏事情などを投稿文に含めることにより読者の共感度が増します。ユーザーは有益な情報だけでなく、ストーリー、エピソードなどを通じてリアルな人間味を感じることができる記事を好む傾向があります。

④ フォロワーとの交流

質問を投げかけたり、意見を求めることで、フォロワーとのエンゲージメントを促進し、コミュニケーションを図りましょう。

⑤ ハッシュタグの使用

関連するハッシュタグを使用することでX内の検索エンジンで上位表示しやすくなります。それにより興味を持っている人々に対して露出を増やすことができます。

⑥ 画像や動画の使用

視覚的なコンテンツを用いることで、ツイートが目立ちやすくなり、興味を引きやすくなります。また、Xの推奨アルゴリズムはテキストだけ、リンクだけのツイートよりも画像や動画などのリッチコンテンツがあるツイートを高く評価すると言われています。

⑦ 定期的な投稿

活動を継続して行うことで、フォロワーがあなたのアカウントを忘れないようにしましょう。
思いついた時に投稿するというのではなく、毎週何曜日と何曜日に投稿するのか、毎日投稿する際は何時と何時に投稿するのかを事前に決めるとフォロワーの期待に応えて信用を獲得しやすくなります。

⑧ シェアやリツイートを促す

コンテンツが共有(シェア)されるとより多くのユーザーにツイートが推奨されるようになります。それにより新しいフォロワーを獲得する機会が増えて好循環を生むことが可能になります。ツイート内でフォロワーにシェアやリツイートをお願いすることで、露出を拡大できます。

⑨ タイムリーなトピック

世間で話題になっているニュースやトレンドを取り上げることで、関心を引きつけやすくなります。ただし、自分のブランドや専門分野と関連性があるトピックに絞らないとブランドイメージを構築するのが困難になります。

10. Facebook


ユーザー数
月間ユーザー数 2,600万人(2019年7月時点)
メイン層
30~60代
男女別利用率
男性:52% 女性: 48%

Facebookは、日本においては30~60代がメインユーザーのSNSで友人や知人とのコミュニケーションや情報収集の目的で活用されています。
10代の利用率は低いため若年世代へのアプローチとしては不向きと言えますが、ビジネスパーソン同士のやり取りも活発なためビジネスパーソンにリーチするための有効なSNSです。

多くの企業がFacebookページを活用し、顧客とのコミュニケーションやプロモーション活動を行っています。特に、小規模なビジネスや地域密着型の企業は、Facebookを利用して顧客と直接やりとりし、情報を発信しているケースが多いです。
Facebookには主に次のような特徴があります。

① ユーザープロフィール

Facebookでは、自分のプロフィールページに写真や趣味、職業、教育歴などの情報を登録できます。これにより、他のユーザーとつながりやすくなります。

② 友達機能

Facebookでは、「友達」として他のユーザーとつながることができます。友達同士は互いの投稿を閲覧し、いいね!やコメントを残すことができます。

③ タイムライン

ユーザーは自分のタイムラインに投稿を行うことができます。投稿はテキスト、画像、動画、リンクなど様々な形式で行うことができます。また、友達の投稿も自分のタイムラインに表示されます。

④ グループ

Facebookには、特定のトピックや興味に基づいて作成されたグループがあります。グループに参加することで、同じ興味を持つ人々と情報を共有したり、ディスカッションを行ったりできます。

⑤ Facebookページ

企業やブランド、有名人などが作成する公式ページがあります。ユーザーは、ページを「いいね!」することで、ページをフォローすることになりページの更新情報を自分のタイムラインに表示させることができます。

個人用アカウントでの商用利用は禁止されているため企業や団体がFacebookを商用利用するには必ずFacebookページを開設してそこで情報発信とフォロワーとやり取りをする必要があります。個人用アカウントでは広告を出すことや、アクセス解析ができませんが、Facebookページを開設するとこれらの機能を利用することができます。

《モバイル版とPC版のFacebookページの例》

⑥ イベント

Facebookでは、イベントの作成や参加が可能です。イベント情報を共有し、友達を招待したり、参加者とやりとりを行ったりできます。

⑦ プライバシー設定

ユーザーは、自分の投稿やプロフィール情報の公開範囲を制御することができます。例えば、友達のみに公開する、特定のユーザーには見えないようにするなど、細かい設定が可能です。

⑧ メッセンジャー

Facebookのチャット機能であるMessengerを使って、友達やグループとリアルタイムでメッセージのやり取りができます。また、ビデオ通話や音声通話も可能です。

⑨ Facebook Watch

Facebookの動画プラットフォームであるFacebook Watchでは、ユーザーが動画コンテンツを視聴・共有・投稿することができます。Instagramのリールのようなものです。

⑩ Facebook Marketplace

Facebook Marketplaceを利用すると、ユーザーは自分が居住する地域内での売買ができます。家具、電化製品、自動車などの商品を簡単に探したり、出品したりすることができます。手数料は無料で、物品の受け渡しは手渡しで行われることがほとんどです。

これらの機能を活用することで、Facebookはさまざまな目的で利用されており、世界中で広く普及しているSNSの一つです。

企業がFacebookページを使った集客を成功させるためには、X活用と同様に、魅力的で興味を引くコンテンツを投稿し、友達登録者とのエンゲージメントを高めることが重要です。前述の《Xによる集客効果を最大化するためのポイント》を参考にして取り組みましょう。

ただし、企業がXとFacebookを使って集客をする際には次のような違いがありますので留意しましょう。

XとFacebookの違い

① コンテンツの形式と長さ

Xでは、短いテキストを中心に情報が伝えられます。一方、Facebookではより長いテキストや画像、動画、リンクなど様々な形式のコンテンツの投稿が多い傾向があります。Xは短くて簡潔な情報伝達に適しており、Facebookは詳細な情報やストーリーを共有するのに適しています。

② 情報の拡散スピード

Xはリアルタイム性が高く、情報が素早く拡散される傾向があります。Facebookは情報の拡散速度が比較的遅く、より長期的な情報発信やコミュニケーションに適しています。

③ ターゲット層

両者のユーザー構成にも違いがあります。Facebookは幅広い年齢層が利用しているのに対し、Xは若い世代や特定の興味・職種を持つ人々が多く利用しています。集客戦略を立てる際には、ターゲットとする顧客層に合わせたプラットフォームの選択が重要です。

④ コミュニケーションスタイル

Xはフォロー制であり、気軽に他のユーザーとつながることができます。一方、Facebookは友達やグループ、ページといった形でコミュニケーションが行われます。Xは広範なネットワーク形成に適しており、Facebookはより密なコミュニティや顧客との関係構築に向いています。

⑤ 広告プラットフォームの違い

Facebookの広告プラットフォームは非常に高度で、ターゲティングやリターゲティングが容易です。また、広告の種類も豊富で、目的に合わせた広告戦略が立てやすいです。一方、X広告はリアルタイム性が強く、短期間で効果を発揮するキャンペーンに適しています。

これらの違いを考慮して、企業は自社の目的やターゲット層に応じて、XとFacebookのどちらか、あるいは両方を適切に活用することが重要です。企業は以下のようにコンテンツを棲み分けてそれぞれのプラットフォームを活用できます。

《X》
・短期間でバズらせたいキャンペーンやプロモーション情報の発信
・緊急時やリアルタイムのニュースやイベントの情報提供
・業界やトレンドに関連した情報の共有
・顧客とのダイレクトなコミュニケーションやサポート

《Facebook》
・より詳細な情報や長いストーリーの共有
・コミュニティの形成や顧客との長期的な関係構築
・イベントやキャンペーンの告知やオンラインイベントの開催
・製品やサービスの紹介やデモンストレーション動画の投稿

また、企業は両方のプラットフォームを連携させて活用することで、さらに効果的な集客が可能です。例えば、Facebookで詳細な情報やイベントを投稿した後、Xでそれを紹介し、フォロワーをFacebookページへ誘導するといった方法があります。

最終的には、企業の目的やターゲット層、リソースに応じて、XとFacebookのどちらを重点的に活用するか、またはどのように連携させるかを決定し、効果的な集客戦略を立てることができます。

11. SNSに投稿するコンテンツのテーマ

SNSを含むソーシャルメディアが集客に役立つことは広く知られているものの、それを使いこなせている企業は非常に少ないのが現実です。

 その理由には、ソーシャルメディアにどのような情報を投稿したら良いのかがわらないというものや、下手な情報を投稿して炎上してしまい企業の信用が落ちるリスクがあるから体制が整うまでは出来ない等様々なものがあります。

企業がSNSに投稿するコンテンツのテーマとしては次のようなものがあります。

① ウェブサイトの更新情報

自社サイトに何か情報を追加したり、編集をすることにより更新をしたら、どの部分をどのように更新したのかを端的にURLや画像と一緒に投稿するとフォロワー、お友達登録者たちがそのページを見にサイトを訪問してくれるようになります。

《Xに投稿したサイトの更新情報の例》

② ブログの更新情報

ブログの更新情報をSNSで告知する際には、短くて魅力的なタイトルを考え、関連する画像や動画を添付して目立たせましょう。さらに、ハッシュタグを活用し、短い説明文を添えることで興味を引くことができます。そして読者が記事ページに遷移するように記事ページにリンクを張りしましょう。

《無料お役立ち情報が掲載されているブログにユーザーを誘導するための投稿例》

③ スタッフの日常報告

スタッフの日常報告をSNSに投稿することは、企業や組織の人間性を伝えることができ、親近感を与えるとともに、ブランディング効果をもたらします。

また、社内コミュニケーションの促進や採用活動の支援に役立ち、顧客との関係構築にも貢献します。さらに、定期的な情報発信を通じて、企業や組織の情報発信力を強化することができます。

④ 無料お役立ち情報

無料お役立ち情報をSNSに投稿することにより、フォロワーや顧客に価値を提供することで信頼関係を築き、競合他社との差別化にもなりブランドイメージの向上に繋がります。

また、役立つ情報を提供することで、フォロワーが増え、リーチが広がりやすくなります。さらに、情報のシェアや拡散を促し、新規顧客の獲得や既存顧客のリピートビジネスにつながることが期待できます。

⑤ 無料サービスの提供

無料診断や、無料カウンセリング、無料コンサルティングなどの無料サービスを提供することにより、投稿の閲覧数を増やし、フォロワーの増加が期待できます。

また、無料サービスを受けるための申し込みフォームを自社サイト上に設置して投稿内容にそのURLを記載することにより、自社サイトへのユーザーの遷移を促すことが可能です。そして、無料サービスの利用申し込みをするためにユーザーが申し込みフォームにメールアドレス等を記入してくれるようになり、その後のメールマガジンの配信先を増やすことが目指せます。

⑥ イベント情報

セミナーや展示会出展等のイベント情報をSNSに投稿すると、多くの人に対して効果的に情報発信ができ、参加者を増やすことが期待できます。

また、イベント内容が魅力的であれば、企業や組織のブランドイメージ向上にも寄与します。また、投稿文の中でイベント情報のシェアを促すことで、新規顧客の獲得や既存顧客の関与度を高める効果が期待できます。

《Xに投稿したセミナー情報の更新情報の例》

⑦ プレゼント情報

プレゼント情報をSNSに投稿すると、プレゼント企画を通じて新規フォロワーの獲得や、既存フォロワーのエンゲージメント向上が期待できます。さらに、プレゼント情報がシェアされることで、情報が拡散され、ブランド認知度の向上が目指せます。

また、プレゼント申し込みのための申し込みフォームにユーザーがメールアドレス等の連絡先を記入することによりメールマガジンの配信先を増やすことが可能です。

《Instagramに投稿したプレゼント情報の例》

⑧ アンケート募集案内

アンケート募集案内をSNSに投稿することにより、多くの人からフィードバックを受け取りやすくなり、サービスや商品の改善点を見つけることができます。また、アンケートへの参加を促すことで、顧客とのコミュニケーションが活発化し、関係を深めることが目指せます。

《Instagramに投稿したアンケート募集案内の例》

⑨ マスコミの取材報告

マスコミの取材報告をSNSに投稿すると、企業や組織の信頼性や認知度を向上させることができます。また、取材報告の投稿は、関心を持つ新規のフォロワーや顧客を引き付ける効果があります。

《Xに投稿したマスコミ取材報告の例》

⑩ ユーザー紹介・お客様紹介

ユーザーやお客様の紹介投稿は、ブランドの信頼性と認知度を向上させることができます。投稿がシェアされた場合は、新しいターゲット層へのリーチを広げることができます。さらに、紹介されたユーザーや顧客がその記事に対していいねをしたり、シェアすることもあり口コミ効果を生み出し、新規顧客の獲得にもつながります。

⑪ 商品・サービスの活用事例

SNSに商品やサービスの活用事例を投稿することにより、潜在的な顧客に対して商品やサービスの価値を具体的に示すことができます。これにより、顧客がどのようにそれらを利用できるかを理解しやすくなり、購買意欲を高めることができます。また、活用事例は既存の顧客にも新たな使い方やアイデアを提案することができ、顧客満足度を向上させる効果があります。

《Xに投稿したサービスの活用事例》

⑫ 商品・サービスの活用方法

SNSに商品やサービスの活用方法を投稿することにより、潜在的な顧客や既存の顧客に対して、商品やサービスの機能や特徴を具体的に紹介することができます。

これにより購入や問い合わせを躊躇していた見込み客はその商品やサービスがどのように役立つのかを理解しやすくなり、購入意欲を持ちやすくなります。

《Xに投稿した商品の活用方法の例》

⑬ キャンペーン情報

SNSにキャンペーン情報を投稿することにより、短期間に大量のターゲット層に投稿を見てもらうことが可能になります。

SNSのユーザーは基本的に企業から商品・サービスを購入するためにSNSを使うのではなく、自分にとって得な情報を見つけるために使うという傾向があります。

また、そうしたお得な情報を見たユーザーは、自分がキャンペーンを利用するだけでなく、自分の情報発信者としての価値を高めるため、友人やフォロワーたちに喜んでもらうためにシェアをする可能性あるため投稿情報が拡散される可能性が高まります。

《Instagramに投稿したキャンペーン情報の例》

⑭ 商品・サービス情報

SNSに商品やサービス情報を投稿することにより、企業は無料で宣伝をすることができます。さらに、商品やサービス情報をSNSに投稿することで、企業はリアルタイムで反応を把握し、販売戦略を柔軟に調整するための手がかりを得ることができます。

投稿の反応やシェア数などのデータを分析することで、ターゲット層へのアプローチ方法を最適化し、より効果的なプロモーションを行うことが可能になります。

《Facebookページに投稿した新サービス情報の例》

これらの情報をなるべく頻繁に各SNSに投稿することにより、SNSの検索エンジンで上位表示をして顧客や見込み客の目に触れるようになります。
それにより顧客や見込み客が、情報発信を続ける企業に好感や親近感を抱くようになり、商品・サービスを購入するタイミングが来たら自社の商品・サービスを思い出し検討する可能性が増すことになります。

SNSを使って集客に成功している企業はこのようにして、既存客や見込み客のマインドに存在感を持つために多いところでは1日何回も、あるいは毎日のように各種SNSに記事を投稿するようになっています。

近年社会問題化している迷惑メールの影響でメールマガジンの購読者数が減っています。メールを使わずにSNSでコミュニケーションを取るユーザーが増えるにつれて昔のような集客効果をメールマガジンに期待することが出来なくなっています。SNSを好むユーザーに企業の様々な情報をSNSで配信することによりメールマガジンの集客効果の減少を補うことが可能になりました。

ただし、SNSに企業が投稿する情報のうち①から⑫までは直接的な商品・サービスの宣伝ではないので、これらをテーマにした情報を日頃は投稿した上で、⑬ 商品・サービスの活用方法、⑭ 新商品・新サービス情報 という商品・サービスの直接的な宣伝をしましょう。
そうすることにより日頃お役立ち情報を見て企業に信頼感を抱いてくれているSNSユーザーが新商品・新サービス情報を見てくれるようになり購入の可能性が高まります。

いつもSNSで「新商品・新サービス情報」という商品・サービスの直接的な宣伝をしてばかりいては売り込みの情報ばかりが配信されるとSNSユーザーが認識してしまいます。そうなるとユーザーはそうした情報を受信しないようにするためにフォローを解除したり、受け取った情報を読まなくなってしまいます。

SNSでも、メールマガジン同様に日頃からのお役立ち情報を配信する企業との良好な関係性が基礎になるので、その基礎をしっかりと作っていくことを心がけるようにしましょう。そうすればSNSは非常にパワフルな集客ツールになります。

12. SNSへ投稿する記事のライティング

企業がLINE公式アカウント、Instagram、X、Facebook等のSNSに投稿する記事の適切な文体やライティング方法は、ターゲットユーザーやブランドのイメージによって異なります。ただし、集客に効果的なライティング方法にはいくつかの共通点があります。ツイートをライティングする際は次の点に注意しましょう。

① シンプルで明確な言葉

シンプルでわかりやすい言葉を使って、情報を的確に伝えましょう。特にXは投稿できる文字数が比較的少ないため、簡潔にポイントを述べることが重要です。

② 差別化をするために個性を表現

企業のブランドや個性を反映した文体で投稿することで、フォロワー(または登録者)との繋がりを強化できます。適度にカジュアルな言い回しや絵文字を使って、親しみやすい印象を与えましょう。

③ 強調したいポイントを明確に

見出しやキーワードを強調することで、スクロール中のユーザーにも情報を伝えやすくなります。大文字や絵文字、ハッシュタグを使って強調することができます。

④ クリエイティブなフレーズ

読者の興味を引くような、独自のフレーズや言い回しを用いることで、他の投稿と差別化できます。

⑤ ターゲットユーザーに適した言葉遣い

顧客やフォロワーの年齢層、興味、ニーズに応じた言葉遣いを心掛けましょう。ターゲットに適したコミュニケーションを行うことで、エンゲージメントが高まります。

⑥ アクションを促す言葉

フォロワーに何かアクションを起こさせたい場合、直接的な言葉でリクエストしましょう。例えば、「今すぐチェック!」や「詳細はこちら」などの言葉が効果的です。

⑦ 読者に共感を持たせる

読者の悩みや問題を理解し、それに対する解決策を提案することで、共感を引き出しやすくなります。

⑧ ポジティブな言葉

ポジティブな言葉を使って、読者に良い印象を与えましょう。ネガティブなメッセージや特定の集団、個人を攻撃していると思われるような表現は避けましょう。エネルギッシュな言葉や前向きな表現を用いることで、読者に好感を持ってもらいやすくなります。

⑨ ストーリーテリング

ストーリーテリングとは、語り手が、相手に伝えたい思いやコンセプトなどを、それを想起させるような印象的な体験談あるいはエピソードなどの「物語」の形で聞き手に聞かせ、印象付ける手法のことをいいます。
読者にとって魅力的なストーリーやエピソードを共有することで、興味を引きつけやすくなります。また、ストーリーを通じて製品やサービスの価値を伝えることができます。

⑩ 信頼性を高める表現

専門知識を示す言葉や、具体的なデータ・事例を用いることで、信頼性を高めることができます。

⑪ 一貫性

いつも一貫性のあるトーン、表現、世界観のコンテンツ(文字、画像、動画)を投稿することによりポジティブなブランドイメージをユーザーに持ってもらうことが可能になります。

⑫ 炎上を避ける

SNSで投稿をする際に炎上を避けることは企業の評判やブランドを守るために非常に重要です。
炎上を避けるには次の点に気をつける必要があります。

SNSに投稿した記事が炎上することを避けるための注意点

(1)適切なトーン、言葉遣い

攻撃的な言葉や皮肉を避け、丁寧で適切なトーンを保ちましょう。誤解や不快感を与えないように、差別的な言葉や過激な意見を避け、丁寧な言葉を使いましょう。

(2)他人の意見や感情への配慮

一方的に意見や主義主張を述べるのではなく、他人の異なる意見や読み手の感情に配慮しましょう。

(3)プライバシーや権利の尊重

他人の個人情報や機密情報を無断で公開しないようにして、著作権や肖像権にも配慮しましょう。

(4)法律や規制の遵守

法律や業界の規制を遵守した投稿をしましょう。

(5)情報の正確性

デマや誤情報を拡散しないように、投稿内容が正確であることを情報の根拠や出典を示すことで担保しましょう。

これらのライティング方法を用いて、企業のSNS投稿を工夫することで、集客に効果的な結果を得ることができます。ただし、ブランドのイメージやターゲットユーザーに応じて、適切な文体や表現を選択することが重要です。

以上が、ソーシャルメディアマーケティングの意味とその実施方法についてです。ソーシャルメディアならではの作法を守りながら、単に自社の商品・サービスの宣伝のための投稿ではなく、ユーザーに自社ブランドを好きになったもらうためにユーザーが求めているコンテンツは何かを調べ、それを的確に配信しましょう。

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